タイは仏教国。タイの祭日は仏教に関わったものが多いですね。日本にいれば葬式仏教といった言葉がある程ですが、タイでは仏教は日常生活に密着しています。他の宗教を信仰している方も、信仰を持っていない方も仏教について知ることはタイを理解する一つになることでしょう。
さて、”博物館特集”をごらんになってバンコクの国立博物館に足を運ばれましたでしょうか。博物館にはブッダイサワン礼拝堂(左写真)があり、建物の中には仏陀の生涯の壁画が描かれています。第3、4水曜日に日本語でのガイドを予定しておりますが、2回にわたってこのブッダイサワンのご案内を通じ、仏教にふれてみましょう。
この礼拝堂は、仏陀像プラブッダシヒンを安置するために18世紀末に建てられたものです。この仏像はタイ国民に非常に愛され、毎年ソンクラーンには王宮前広場に安置され清めの水をかけられます。先ず壁画をたどる前にシヒン像の前に座ってみましょう。
薄暗い礼拝堂の中のひんやりした床に座れば、しばしバンコクの喧噪を忘れ神聖な気持ちになり心が静かに落ち着いてくるようです。後扉の右側から時計回りに仏陀の生涯が28枚のパネルに描かれています。仏陀の生涯の壁画の更に上方を見ますとテーヴァ、ヤクシャ、ガルダが描かれていますが、その視線は後扉の上に描かれた仏塔(ストゥーパ)に注がれています。これはブッダの死、涅槃のシンボルに対する尊敬を表わしています。さて、壁画の中の有名な場面をとりあげてみましょう。仏教では4大聖地といわれているところです。
1、ルンピニー(誕生の地)
2、ボードガヤー(降魔成道の地)悟りを開く
3、サールナート(初転法輪)初めての説法
4、クシナガラ(涅槃の地)
ここは特に重要なところですのでよくごらんになって下さい。
ウィサーカ・ブーチャーはこの誕生、成道、入滅が同じ日だったという仏教上最も有り難いとされている祝日で陰暦6月の満月の日とされています。ちなみに今年(2000年)は5月17日でした。祝日の意味を知らずにいると申し訳ないような気がしますね。

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